主催:クラフトフェス実行委員会 / 共催:越前市
Kogei Mirai Sustainable Experience Films
2020.08.21

未来への指針「BRAVE NEW ECHIZEN」

長年「生活文化の探求」を行い発信してきた黒崎さんに、越前で働く工藝の方に対して、これからの産地の指針を聞いてみた。

ー越前和紙について
これから印刷されることが貴重、アートの領域になる。印刷物をつくるクリエイターは、紙の質感やテクスチャーなど細かな違いに興味があり、そこを丁寧に伝えないといけない。特殊なオーダーメイドをクリエイターと共にBespokeで小ロットで作れるのが魅力なので、カルチャーも含めてプレゼンテーションする場が必要。印刷機があり、筆があり、試し書きができ、インテリアやファッションにも繋がるってことを全方位で見れるようなギャラリーが必要。そして、工場は若い子が憧れるアトリエのように美しく、働いていることがカッコよく見えるようにして、アートのように丁寧につくる和紙漉きの現場を見せていけると紙は高くても売れるようになる。

ー越前箪笥について
箪笥を家具として捉え、箪笥が似合う空間をデザイナー、建築家と共に作り、空間の中での箪笥の見せ方が大切。それには、様々なデザイナーやアーティスト、クリエイターとの付き合いが大切。だけど、職人さんは制作現場から離れるのが難しいから、これからの千年未来工藝祭は、工藝だけじゃなく、コラボレーションしたい人や情報を広げたい人、プロデュースしたい人と職人さんが繋がれるWEBサイトを作っていくと良い。イベントや一過性のものではなく、しっかり仕事に繋がる状況を作っていかないといけない。

ー越前打刃物について
どんな人がどう作り、どんな特徴があるかを丁寧にグローバルに伝えないといけない。現在、マーケット自体が伸びているけど、現状に満足せずに海外にオリジナルショップを出すなど次の展開を考えないといけない。また工房の中に素敵なキッチンをつくり、世界のスターシェフを呼んで食事会をする。そこには刃物だけじゃなく、越前の工藝を入れて地域としてのカルチャーを出す。そういったスピリット、フィロソフィーが大切であり、働いている人みんなが盛り上がれるような状況をプロデュースすることが大切。

マーク・ニューソンをはじめ、世界的な若手デザイナーを数多く発掘、育みながら、日本の新しい価値観づくりや場づくり、カルチャーを牽引してきた黒崎さん。自由な発想で場所にも社会の既成概念にも捉われない黒崎さんだからこその勇気がもらえる越前が向かうべき未来の指針を聞くことが出来た。


黒崎 輝男 Teruo Kurosaki
流石創造集団株式会社C.E.O/プロデューサー「IDEE」創始者。
廃校を再生した『世田谷ものづくり学校(IID)』に、『スクーリング・パッド/自由大学』を開校。Farmers Marketの立案/運営、解放区「COMMUNE」を表参道で展開。石川県小松市滝ヶ原町で、古民家6軒と畑を譲り受け、新たな視点で地域再生を進行。2020年7月Takigahara Craft&Stay(ホステル)を開設。